インソール
インソールにはいろいろあります。小さなパーツを使って土踏まずを持ち上げたり、横アーチを持ち上げたり、前足部や後足部に角度を付けたり、また、硬めのカップインソールにかかとを入れて距骨下関節を調節したり、かかとと親指小指の付け根の3点で支えたり、海外や国内のいろんなメーカー、個人から出ています。しかし、ご存知でしょうか?4か月後には約7割の人が、1年後には9割の人が外してしまっているのです。
そもそもどうして足がゆがんでいるのかを考えなくてはいけません。ゆがんでいる結果に対してアプローチするのではなく、なぜゆがんでしまったかを考慮しなければ改善するはずがありません。つまり、踏ん張れない足指で何とか立って何とか歩こうとした結果が足裏や身体のゆがみになっているのです。上記のようなインソールを靴に入れると足指が踏ん張れなくてもいきなりまっすぐに立ててしまいます。一時的にはすごく楽になった気がします。しかし、どんなインソールでもそれだけで踏ん張れない足指が踏ん張れるようになることはありません。インソールを入れて一時的に楽になった方も、個人差はありますが必ず早かれ遅かれ体調は悪くなって来ます。インソールで無理やりまっすぐに立っていると更に足が弱ってきてしまい、まっすぐ立っていることがつらくなってきてしまうからです。10本の指がバランスよく踏ん張れることによって、はじめて正しく立って歩行することができるのです。1歳ぐらいの歩き始めの赤ちゃんは一生懸命つかまり立ちやつかまり歩きをして足指を鍛えます。スクワットをしてるような動きもします。踏ん張れる筋肉がついてくるとよちよち歩き出すのです。足のアーチが形成されるのは3歳ごろからです。アーチより先に踏ん張る筋肉が大切なのです。
また、距骨下関節のゆがみには、必ず下腿のねじれ歩行が存在します。これを一部の医師は下腿外旋症候群とおっしゃいます。スクリューホームムーブメントとは明らかに違う異常な動きです。足根部、足関節、遠位脛腓関節、近位脛腓関節、膝関節、股関節、仙腸関節、各種筋肉や靭帯などが影響しています。これらをすべて調節しなければなりません。インソールだけではケアできないのです。
当院では完全にフラットなインソールを使っています。コンクリートやアスファルトの衝撃を和らげるためだけのものです。多くの慢性痛や原因のはっきりしない痛みはコンクリートやアスファルトの衝撃とねじれ(縦揺れ、横揺れ)の繰り返しによるいつの間にか骨折、捻挫、挫傷なのです。
そして踏ん張れる足指になるようなケアをします。あとは、足に合った機能的な靴を、しっかりひもを締めて履くことが大切です。
スクリューホームムーブメントとは?
膝の屈曲に伴う内旋は約20°で、完全伸展時には外旋10°とされています。膝の完全伸展前の約30°あたりから、脛骨の外旋がおこり、これをスクリューホームムーブメントといいます。
この動きがないと異常な代償動作が起こり、関節・靭帯・筋肉など全身に負担がかかってきてしまいます。